会の概要

私たちドローン鑑定会は、自らUAV(無人航空機)の操縦士資格を取得し、自身で空撮解析して作成したデジタルデータを鑑定評価等業務に活用できる能力を身に付けた不動産鑑定士により構成されています。
私たちの基本は、有志による連携と新たなことにチャレンジする遊び心です。会で行ってる色々な取り組みについて、参加するしないは個々の自由としており、義務は存在しません。直感で使いこなせ!という時代にあって、人の得手不得手や趣味志向はバラバラです。自分1人じゃとてもできないこと、それはツレといっしょにやればよい、というのがドローン鑑定会です。
令和2年4月の会発足からこれまでに全国の過半域でドローン鑑定業務が行われるようになりましたが、またまだ成熟途上です。全国の隅々までこのサービスを提供できるよう、更なる有志の参加を期待しています。

~令和元年度 UAV操縦士のライセンス取得、機材および解析ソフトの選定、不動産鑑定を目的とした飛行許可承認の取得、実証テスト等を経て、令和元年6月に不動産鑑定士自身が空撮解析したデータによる不動産鑑定評価の実務化に成功し、その8月には、発注者のご理解ご協力を得て、公共用地評価業務において初のドローン活用案件ができました。
 また、この新技術活用を広めるため、機材メーカー・ソフトメーカー・スクール等と調整して、基本となる導入パッケージを構築するとともに、世の中に認められる形として仕上げ、12月6日特許出願するに至りました。
令和2年度 特許査定が確実となり、令和2年4月にドローン鑑定会を立ち上げて、その周知と指導で全国行脚するとともに、「導入編」「実務編」等のマニュアルを作成し、LINE・メーリングリスト・WEB定例会等の会運営の基礎を構築しました。
 なお、この年には、競売評価で初めてドローン適用案件ができ、読売新聞から取材されたり、商標を取得したり、損害保険会社からの協働相談に応じるなどしました。
令和3年度 1年目の活動を終え、春に京都で第一回総会を開催し、この先の将来ビジョンを明確に示しました。
 なお、この年には、ドローン活用が仕様書で定められた鑑定評価業務の発注が複数県で生じ、収用委員会や高等裁判所案件でのドローン活用案件があったほか、赤外線ドローンの活用や準会員制度(パートナーシップ制度)、損害保険鑑定業界との協働などの試行錯誤をしました。
令和4年度 第二回総会は、他業界よりゲストを迎えるとともに、「デジタル評価書実現への第一歩、What’s電子署名」「おまたせしました!Howto3Dビューアー」「赤外線ドローンと鑑定評価」など、多彩な先進的コンテンツを発表する場となりました。
 なお、この年には、広く他業界団体と面談を行い、四国・中部の不動産鑑定士協会連合会や徳島県用地対策連絡協議会へドローン研修を提供したほか、ドローン鑑定が近畿発明表彰奨励賞を受賞するなど、不動産鑑定士のドローン活用が広く世の中に発信されることとなりました。
令和5年度 第三回総会は、更に多彩なゲストを招き、「航空法と操縦士制度の改正要点と鑑定評価上の留意点」「RTKやってみたあれこれ」等の会員による成果発表のほか、ゲストからも「ドローン搭載赤外線サーモグラフィによる建物診断の留意点と不動産鑑定士による活用について」「現行小型機の紹介」「自治体と連携したドローン活用について」などの講演研修をいただく場となりました。
 なお、この年には、大阪・岐阜の不動産鑑定士協会でのドローン研修、近畿地区用地対策連絡協議会での講演等のほか、日本不動産鑑定士協会連合会のシンポジウムにてドローンをテーマとした研究発表とディスカッションが行われるまでに至りました。
R4.6.27WEB定例会22
R4.7.1拡大情報交換会in和歌山
R4.7.24実地演習in徳島
R4.7.27WEB定例会23&レベル4対応業務勉強会
R4.7.30~31実地演習in長崎,福岡
R4.8.25洛北ロータリークラブ(講演:不動産鑑定士によるドローン活用)
R4.8.29WEB定例会24
R4.9.28WEB定例会25
R4.10.1実地演習in大分
R4.10.9~10産業機研修in大阪
R4.10.31WEB定例会26
R4.11.11四国不動産鑑定士協会連合会(4時間ドローン研修)
R4.11.22WEB定例会27&新解析機能研修会
R4.12.2中部不動産鑑定士協会連合会(4時間ドローン研修)
R4.12.15徳島県用地対策連絡協議会(2時間ドローン研修)
R4.12.19WEB定例会28
R5.1.30WEB定例会29
R5.2.3東北ミーティングin福島
R5.2.28WEB定例会30
R5.3.27実地演習in京都
R5.3.28WEB定例会31
R5.4.15第三回総会
R5.5.30WEB定例会32
R5.6.21北陸ミーティングin金沢
R5.6.30WEB定例会33
R5.7.25WEB定例会34
R5.8.10岐阜県不動産鑑定士協会(3時間研修)
R5.8.24東北ミーティングin郡山
R5.8.25福島ロボットテストフィールド ドローン鑑定実証研修
R5.8.31WEB定例会35
R5.9.29大阪府不動産鑑定士協会(1.5時間ドローン研修)
R5.9.30WEB定例会36
R5.10.6日本不動産鑑定士協会連合会(半日ドローンシンポジウム)
R5.10.26近畿地区用地対策連絡協議会(1時間ドローン研修)

今年度の総会では、進化系テーマの実践として、以下の研修・講演をしました。

  1. 記念研修「航空法と操縦士制度の改正要点と鑑定業務上の留意点」ドローン鑑定会 代表 新見憲一郎
  2. ゲスト講演「ドローン搭載赤外線サーモグラフィによる建物診断の留意点と不動産鑑定士による活用について」一般社団法人街と暮らし環境再生機構 常務理事 研修・業務支援統括長 中嶋俊一様
  3. ゲスト講演「現行小型機の紹介」㈱WorldLink&Japan(SkyLinkJapan)ソリューション営業部 森田紗衣様
  4. ゲスト講演「自治体と連携したドローン活用について」一般社団法人岐阜県産業ドローン協会 代表理事 石田宏樹様(㈱ROBOZ代表取締役)

新技術活用に関する国・民間の取り組みへの参画と連携への取り組み等

UAVの業務活用に留まることなく、GIS分野・JIS構築等の研究しています。

メーカー支援の取り組み

機材メーカーによる実用的研修会の構築、ソフトメーカーへの改善支援等をしています。

協働業務の実践

デジタル情報の活用を前提とした、不動産鑑定士の新しい横連携業務を検討実践しています。

業務成果、研究成果の公表

トップガンコンテストなど新成果創造を推進する取り組みを行い、その成果をユーチューブで公開するなどしています。

メディア、講演会への対応

各種メディアへの情報提供や取材協力のほか、UAVをテーマとする講演会への講師派遣をしています。

大規模災害等に対する対応

自治体、損保会社等と現実的かつ有用なUAV活用のあり方を検討協議しています。

専門的不動産鑑定士の育成

UAV活用を通じて、測量士・赤外線建物診断技能師・損害保険鑑定人等の専門能力を有する不動産鑑定士の育成に努めています。

レベル4対応業務の検討

UAVに熟知した不動産鑑定士として、社会受容性の分野を担いうる国家資格者として、飛行経路地等調査業務、事例収集に努めています。

この先、都会の街中でUAVによる物流が行われる世の中になったとして、地権者等とのトラブルが生じたとき、誰がその正当性や妥当性を検証し、誰がその内容を纏めることができるのか?
大規模災害時に備え、自治体がUAVによる空撮調査の実施体制を確保したとして、その空撮方法は実際にデータを活用する者にとって都合の良い仕様になっているか?その成果を誰がどのように判断し、説明し、どのように行政事務や住民のために役立てるのか?
すなわち、これから迎えるレベル4の社会では、UAVに関する技術や環境が整うだけでは足りません。
技術者、企業、学者、政治家等が描いた社会像の実現とともに、現場事情を理解し、問題を解決し、その実行をサポートできる弁護士や不動産鑑定士等の専門職業家が必要となってくる時代が来るのであって、その実施や事後を想定して、今から協働して進めていくことが重要なのです。
少なくとも私たちドローン鑑定会の会員は、自発的にそれに備える活動段階にもあるとも考えています。